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episode.10

昭和初期創建の石蔵で時を忘れて憩う

 旧大隅線東串良駅跡に建つ石蔵は、現在、大隅地方で百年以上にわたって酢や醤油などの醸造に携わる児玉醸造の直売所として活用されています。もともと石蔵は、昭和初期、産業組合(現JA)によって建造され、米の貯蔵庫として使用されていました。昭和62(1987)年の大隅線廃線とともに取り壊される予定でしたが、児玉醸造3代目の正達さんが「駅の歴史を町に残したい」と建物を買い取り、取り壊しを免れました。一時期、知人の絵画や写真の収蔵庫として使用されていましたが、4代目の拓隆さんらの手によって周囲の整備と改装を行い、平成25(2013)年、児玉醸造直売所としてオープン。現在、気軽に訪れることのできる空間として一般開放されています。つくりたての酢や醤油などを試食して自分好みのものを品定めしたり、自分だけのオリジナルラベルを貼ったミニボトル作成体験を楽しむこともできます。

児玉醸造直売所 「石蔵小町」
カフェや雑貨店、マッサージ屋さんなどが出店するイベント「石蔵小町」。心地よい空気の中でゆったりと過ごせます。
※開催日は要確認児玉醸造直売所 「石蔵小町」
カフェや雑貨店、マッサージ屋さんなどが出店するイベント「石蔵小町」。心地よい空気の中でゆったりと過ごせます。
※開催日は要確認
豊富なラインナップも児玉醸造直売所ならでは。試食しながら品定めできるので、用途やお好みで、お気に入りの1本を見つけてみよう。
豊富なラインナップも児玉醸造直売所ならでは。試食しながら品定めできるので、用途やお好みで、お気に入りの1本を見つけてみよう。
詰め方を説明する村山立樹さん詰め方を説明する村山立樹さん
ミニボトル作成体験
ボトルの中身は、村山さんが製造に携わっている新鮮な刺身醤油。イラストや文字、デコシールで可愛くデザインすれば食卓も楽しくなりそう。
ミニボトル作成体験
ボトルの中身は、村山さんが製造に携わっている新鮮な刺身醤油。イラストや文字、デコシールで可愛くデザインすれば食卓も楽しくなりそう。
ミニボトル作成体験
ボトルの中身は、村山さんが製造に携わっている新鮮な刺身醤油。イラストや文字、デコシールで可愛くデザインすれば食卓も楽しくなりそう。

石蔵から生み出される地域の新たな活気

 悠久を感じさせてくれる石蔵の空気ですが、実は、再びの存続の危機を乗り越えて今に至っています。「東串良の町おこしは以前から考えていたのですが、蔵はもうたたもうかと思っていました」。拓隆さんは語ります。石蔵活用に目が向いたのは、東京でクリエイターとして活動していた村山立樹さんとSNSで出会ったことがきっかけになりました。大崎町出身の村山さんと行き来しながら交流を深め、のちに村山さんは帰郷。以来、児玉醸造で働きながら、拓隆さんとともに石蔵の空間デザインやイベントプロデュースなどに携わっています。

 春には菜の花、桃の節句にはお雛様、初夏には鯉のぼりなど、季節によって変わる蔵の繊細な飾り付けも心を和ませてくれます。季節の行事として始まった「石蔵小町」は、雑貨店やカフェなどが出店する、新しい地域交流の場になっています。長い時を超えてたたずむ石蔵は、いま地域の輪の中心として新しい役割を担っています。

家具の多くは地元の方の寄贈品が多い。児玉醸造の創業者たちが談義したと伝わるソファに腰かけてみると、当時にタイムスリップしたような感覚に。
家具の多くは地元の方の寄贈品が多い。児玉醸造の創業者たちが談義したと伝わるソファに腰かけてみると、当時にタイムスリップしたような感覚に。
家具の多くは地元の方の寄贈品が多い。児玉醸造の創業者たちが談義したと伝わるソファに腰かけてみると、当時にタイムスリップしたような感覚に。

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