嬉しい時も、悲しい時も、いつも一緒だった
親子の絆がつなぐ「だっきしょ豆腐」の伝統
「だっきしょ」とは鹿児島弁で落花生のこと。大隅は落花生の一大産地なのです。その落花生を使って作る「だっきしょ豆腐」は大隅地域のソウルフード。甘めのタレと合わせていただくと、もっちりした食感の中に落花生の甘みと香りが広がって、喉にするりと溶けていくようです。
地元の方々に、特に人気が高いのが鹿屋市の小松食堂特製のだっきしょ豆腐。鹿屋産の落花生にこだわり、丁寧に作られるその味わいは、さすが創業50年の老舗ならでは。ひと晩水につけた生落花生の薄皮をむき、ミキサーにかけて絞ったものにでんぷんを合わせ、火を入れながらかき混ぜ続けます。
昔は、冠婚葬祭にはつきもののご馳走で、この地方ではどこの家庭でも手作りしていました。
小松食堂2代目の松下一慶さんが改良を重ねた製法や味を現在、3代目の和夫さんと弟の幸治さんが引き継いでいます。「息子たちのお陰で手のかかるだっきしょ豆腐を作り続けられて来ました」と語る一慶さんの言葉に、今日、明日の積み重ねが「伝統」を作っていくものだということを教えられました。


地元に愛されて50年
小松食堂