希少な国産菜種油をつくり続けて80年
3月。大隅を車で走っていると、黄色い絨毯が目に飛び込んできます。そう、菜の花畑です。今でこそ少なくなったそうですが、かつてこの辺りでは菜種油をつくる会社が多かったそうです。今では鹿児島県内でわずか数軒だけ。それでも全国的には多いそうで、いかに菜種油が希少になってきたかが分かります。
昭和11(1936)年創業の村山製油は、そんな数少ない菜種油をつくる会社。現在は3代目となる村山博隆さんが、国産の菜種だけを釜煎り圧搾し、無添加で仕上げた菜種油をつくっています。
「一般的なサラダ油と比べて、油自体に旨味があるんですよ。低い温度でもカラッと仕上がって、いくら食べても胸焼けしないんです」と話すのは、博隆さんのお母さんの村山トシさん。トシさんは本当に話し上手で、気づけば話題は菜種油から、黒豚味噌の話になっていました。

村山製油3代目の村山博隆さんと、お母さんのトシさん。今では希少となった菜種油を一緒に作り続けています。




