酒蔵の記憶と、実は国際色豊かなつながりをもつ地域の居場所
地域の憩いの場として
お店を開いてから50年。喫茶「杏」は、大崎町の人々にとって、ゆっくりと時間が流れる憩いの場です。
店を営むオーナーは70代。来店するのは同世代の常連さんが多く、「ちょっとひと休み」に立ち寄る人が絶えません。体調に気を配りながらも、「自分のペースで」続けるその姿が、地域の居場所を守り続けています。

人気のメニュー
喫茶「杏」のメニューは長い時間をかけて厳選されています。昼の日替わり定食は人気で15食程度用意されています。
日替わり定食(平日)

定番・人気単品メニュー
日替わり以外で特に人気があるのは

酒蔵としての記憶
現在の喫茶「杏」の建物は、かつてこの地域にあった酒蔵「大迫酒店」の跡地に建っています。大迫一家は当時、焼酎を製造していた酒蔵でした。戦時中の空襲で工場が焼失。戦後に復興したものの酒蔵は閉じることになり、長らくその味は途絶えていました。
しかし近年、かつての焼酎が「復刻版」として甦りました!
地元の新平酒造さんの協力のもと再び製造された焼酎「華乃世界」は、今も地元のコンビニで購入できます。この焼酎がここに酒蔵があったという過去と現在をつなぐ一本として、誇りとなっています。

ロサンゼルスへ受け継がれたもうひとつの「ANZU」
店名「杏」(あんず)には、もうひとつの物語があります。
オーナーの息子さんがロサンゼルスで開いたカフェ「ANZU」は、この喫茶から名前を受け継いだもの。
現在はロサンゼルスに2店舗を展開し、多くの人に愛される人気店になっているとのこと。まさかの大崎町からロサンゼルスへ。これにはビックリでした。
大崎町のレトロな喫茶店から、海を越えて広がる温かなつながりがここにあります。

〒899-7305 鹿児島県曽於郡大崎町假宿1095
こだち
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