海の学校 ダイビングリバティ 瀬戸口明久さん

 

「海の景色って、潜るたびにいつも違うんですよ。目に入る生き物も、海の表情も、その時になってみないとわからないのがダイビングの魅力です」

 

そう語るのは、南大隅町のダイビング体験施設「海の学校 ダイビングリバティ」の代表である、瀬戸口明久(せとぐち・あきひさ)さん。

 

御歳59歳で、ダイビング歴は約30年。地元だけでなく全国からもお客様を迎える、ベテランインストラクターです。

 

 

ダイビングリバティが拠点を構える南大隅町の佐多地域は、国が指定した「海域公園」の第一号であり、全国でも有数のダイビングスポットです。

 

魚種が豊富なことから釣りの人気はありますが、マリンアクティビティの中でもダイビングは敷居が高く、「興味はあるけど、一歩を踏み出す勇気が出ない…!」という方も多いのではないでしょうか。

 

今回はベテランダイバーの瀬戸口さんにお話を伺い、お店を運営することになった経緯やサービスのこだわり、そして何より佐多のダイビングの魅力をたっぷりと伺いました。

 

これを読めば、ダイビングに挑戦したくなること間違いなし!ぜひ最後までご覧ください。

 

 

◆本土最南端のダイビングショップを引き継ぐ

大杉:本日はよろしくお願いします!瀬戸口さんには2022年に『大隅手帖』(本HPの運営会社が発行する観光紹介冊子)の取材でお話を伺いましたが、お店の運営に携わるきっかけなど、深い部分については聞けていなかったんですよね。今回は楽しみにしておりました。

瀬戸口:前回の取材時はコロナ禍でお客様が来にくい部分もありましたが、現在はすっかり回復して、毎月のように全国からお客様がいらっしゃいますよ。そのあたりの近況も含めて、色々とお話しできればと思います。

 

 

大杉:「海の学校 ダイビングリバティ」の運営は、瀬戸口さんが2代目とお聞きしています。先代の方はどんな方だったんですか?

 

瀬戸口:この施設を最初にスタートしたのは、お店の近くの「第一佐多中学校」で教師をされていた方だったんです。甑島(こしきじま)や内之浦など、赴任先は島か海沿いの地域ばかりだったようで、必然的に海で遊ぶ機会が増えたそうです。そんな教職生活の傍らマリンアクティビティにのめり込んでいき、佐多で始まったのがこのお店だったんですよ。

 

大杉:瀬戸口さんはどのように先代の方と知り合ったんですか?

 

瀬戸口:私は生まれも育ちも肝付町なのですが、東京で数年サラリーマン生活を送ったあと地元に帰って自営業を始めました。先生はそこの常連さんだったんですよ。私もアウトドアが趣味で、バイクやジェットスキー、キャンプなど色々やっていました。そんな時に先生から佐多のダイビングにも誘われて、お店に通うようになったんです。

 

大杉:お互いの店のお客さん同士だったんですね。

 

 

瀬戸口:そんなある日、先生が怪我をしてしまって、潜るのが難しくなってしまったんです。ダイビングは船で海上のスポットまで行く必要があるのですが、私はもともと船舶免許を持っていたので、お店の運営を手伝うようになりました。そこから色々あって経営を引き継ぐことになり、今に至ります。

 

 

 

 

◆佐多のダイビングの魅力とは?

大杉:運営を引き継いだ当初、課題などありましたか?

 

瀬戸口:当時はSNSがメジャーでない時代だったので、集客が難しくて…。あってもmixiぐらいの時代でしたし、お客様は今よりもかなり少なかったですね。何をアピールするべきなのかも、どのようにアピールするのがいいのかもよくわかりませんでした。

 

 

大杉:集客関係は、ビジネスにとって大きな課題ですよね。現在は全国各地からお客様がいらっしゃるそうですが、皆さんはどのようにリバティの存在を知るんですか?

 

瀬戸口:InstagramやFacebookで情報発信をするようになり、そのときに佐多の海で見られる魚・気温・水温など、水中カメラで撮った画像や動画とともに投稿しています。大体のお客様はそこから知っていただきますね。

 

大杉:自分も南大隅に暮らしているので自然の豊かさは実感しますが、海の中は本当に異世界ですよね…!

 

瀬戸口:佐多は、1970年代に自然公園法で「海中公園」に指定された全国初の地域の一つで、魚種がとても豊富なんですよ。地形の起伏にも富んでいて、ウミガメの回遊やサンゴも見られます。5月にはエイが繁殖行動で集まる姿も見られるのですが、これをしっかり見られるのは、おそらく全国でも佐多だけだと思いますね。私も初めて潜った時には感動したものです。地形も、魚群も、サンゴもある。これが、佐多のダイビングの魅力ですよ。

 

 

大杉:まさに、ダイビングをしないと味わえない風景ですね!

 

瀬戸口:お店を引き継いで、年間を通して佐多の海に潜るようになって初めて、どの時期にどんな魚が見られるのかわかってきたんです。そうした内容を発信していたら、全国から常連さんが遊びに来てくれるようになりました。初めは「遠いよ!」と不満をおっしゃる方もいますが、次第に慣れちゃうみたいですね 笑

 

 

大杉:こんな景色が見られるなら、足を運びたくなりますよね!

 

◆「非日常」のダイビングを身近に

 

大杉:今日は地元の方もダイビング後で休憩されてるんですね。ダイビングリバティの魅力はどのあたりでしょうか?

 

地元のお客様:私はUターンして南大隅町内で働き始めたんですが、やっぱり気軽に潜れるところですね!学生時代にライセンスを取ったのですが、仕事を始めてからはたまに旅行の時に潜るくらいで、ほとんどダイビングに触れられずに過ごしてきました。こちらに帰ってきてリバティさんを知ってから、たびたび通うようになりましたね。今日は大きなヒラメが見れたんですよ!

 

 

大杉:身近にあるリバティのおかげで、日常的にダイビングライフを送れるようになったんですね!

 

地元のお客様:旅行で島に行ってもダイビングはできるんですけど、いつも天気がいいとは限らないじゃないですか。旅先でせっかくならと頑張って船を出していただくこともありますが、やっぱりシケの中だと海も荒れますし、船酔いしちゃうこともあって…。近くで気軽にダイビングができるのはやっぱりありがたいです。

 

瀬戸口:地元の方でライセンスを持ってる方は、よく遊びにきてくれますよ。初めての方には「体験ダイビング」から入ってもらうのですが、そこからライセンス取得の本格的なコースに進む方が多いですね。

 

 

常連さん:もっとレベルアップしたら、海中カメラやGoProでの撮影にも挑戦したいです。

 

大杉:羨ましすぎる…!自分も体験ダイビング、申し込みます!(このあと実際に予約しました)

 

◆「自分が行きたいショップ」を目指して

 

大杉:最後に、リバティの施設のこだわりについて教えてください!

 

瀬戸口:なんといっても、海から近いところですね。歩いて30秒で船に乗れるので、ダイビング後はすぐに機材を洗ったりシャワーを浴びられます。ダイビングショップ経営をしている方も遊びに来てくれるのですが、羨ましがられます。ダイビング後はゆったりログづけ(記録作成)してもいいですし、気楽に過ごしてください。

 

大杉:ダイビングで疲れた体を、すぐにリフレッシュできるのはありがたいですね!

 

瀬戸口:お客様が「居心地がいいよね」と言ってくださることも多いです。「自分が行きたいショップづくり」をモットーにしていますので、自分自身がこうだったらいいな〜というイメージを形にするようにしています。「自分が潜って楽しいと思えるところを案内したい!」というスタンスで取り組んでいますので、初心者から上級者まで、気軽に佐多の海を体感してほしいと思います。

 

 

大杉:自分もめちゃくちゃダイビングやりたくなってきました!貴重なお話をありがとうございました。

 

 

ダイビングリバティは、南大隅のディープな魅力に触れるための秘密基地です。大人も子供も、童心に帰って大自然を満喫できる場。潜ってみないとわからない未知の光景に、あなたも飛び込んでみませんか?

 

海の学校 ダイビングリバティ 瀬戸口明久さん

〒893-2601
鹿児島県肝属郡南大隅町佐多伊座敷4067

https://www.divingliberty.com/

アクセス
・フェリーなんきゅう(山川・根占フェリー)根占港営業所から車で25分
・鴨池・垂水フェリー 垂水営業所から車でおよそ1時間20分
・大隅縦貫道 笠之原ICから車で約1時間
期間
・一年を通して体験可能
→気候によっては体験できないこともありますので、事前にお問い合わせください。
営業時間
9:00〜17:00
定休日
不定休
料金
・体験ダイビングコース(半日):12,000円
・ライセンス取得講習(3.5日):65,000円
・リフレッシュダイビングコース(1日):18,000円
・シーカヤック・SUP(2時間):6,000円
※その他のコースや料金詳細については、公式HPをご覧ください。
駐車場
あり
TEL
0994-26-1345
問い合わせ先
・下記の公式HPまたは電話番号までお問い合わせください。

E-mail:divingliberty@yaoo.co.jp
注意事項
・各種機材はレンタル可能です。
・水着・タオル・ドリンクは各自ご用意ください。
公式SNS

この記事を書いたライター

大杉祐輔

大杉祐輔

東京農大を卒業後、2018年から南大隅在住。フリーペーパー「かぜつち」編集長。趣味は猫と遊ぶことです!

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