鹿児島県志布志市の中心部からほど近く、歴史ある武家屋敷群「志布志麓(しぶしふもと)」の一角に、ひっそりと佇む庭園があります。
その名は 「福山氏庭園(志布志麓庭園)」。江戸時代、志布志を治めた福山氏の屋敷跡に造られた武家庭園で、国の名勝にも指定されています。
2024年7月、保存修理を経て再び一般公開が始まりました。門をくぐると、整えられた砂利の音が心地よく響き、築山をめぐる石組や植栽が迎えてくれます。サツキやイヌマキ、モミジが季節ごとに彩りを添え、訪れる人に穏やかな時間を届けてくれます。
背後に望む宝満寺の屋根や山並みを借景とした庭づくりは、まるで時代を超えて続く風景画のよう。静けさの中に、往時の武家たちの気配が感じられるようです。
また、庭園では伝統弓術「四半的(しはんまと)」の体験も可能。小さな的を狙うこの弓は、志布志地方で古くから伝わるもの。老若男女問わず楽しめる体験として、地域の文化を身近に感じられます。
入園料は無料。志布志麓の町並み散策とあわせて訪れれば、歴史と自然、そして人の営みが織りなす“志のまち”の魅力をより深く味わえることでしょう。
〒899-7102 鹿児島県志布志市志布志町帖6413
https://japan-heritage.bunka.go.jp/ja/culturalproperties/result/4690/

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