大崎町野方の山の中にある篠段温泉。鉱泉で、ph7.7の軟水。皮膚病や切り傷に良いと言われ、篠段寿湯として親しまれている。
その歴史は、男湯女湯入口前に掲げられた看板に記されている。それによると、慶應元年(1865年)瀬戸五左ヱ門という人に山之神様から「お告げ」があり、霊泉を見つけて沸かして入浴すると臀部の腫物が快癒したと。また一説には、傷ついた鶴が霊泉を浴びると傷が癒えたとのいわれも。明治元年(1877年)に湯治場として温泉の経営が始まった。そして、昭和37年にそれまで篠段集落周辺の人々で管理運営されていた温泉を祖父が買い取ったという孫娘の女将さんが、現在一人で切り盛りされている。
趣きある建屋の佇まいからも想像されるが、中に入るとまた歴史を感じる。脱衣所の棚には9つ程の籠が用意されており、浴室に入ると蛇口が5つ程並ぶ。浴槽は、4~5人入るといっぱいになるくらいの広さだ。午後3時頃からは常連客が訪れるので、ゆっくりと過ごすならそれより前がお薦め。
〒899-8313 鹿児島県曽於郡大崎町野方4936